桑名正和(くわなまさかず)

コイの滝のぼり

2023.05.01

 青空のもと、暖かい日差しのもとで鯉のぼりが優雅に風にふかれています。
 ゴールデンウィークらしい光景で、見ていて楽しいものです。

 こちらのコイは4月初旬、ひらひらとサクラの花びらが舞う池で泳いでいるコイです。
 コイはコイ目コイ科の魚。広くコイ目というグループで見ると、その中にはドジョウ、ウグイ、タナゴなど川で見かける魚が多くあります。コイ科の中にはフナやキンギョがいます。
 マンモスがいた新生代の地層からコイの化石が発掘されることがあり、日本の池や川には人類誕生以前からいた一方で、外来種のコイも増えてきています。
 赤や白の色鮮やかな錦鯉がいる一方、黒いコイも多くいます。今回は5月5日のこどもの日には鯉のぼり、なぜ鯉のぼりなのかという話です。

 鯉のぼりをあげるようになったのは江戸時代あたり、「のぼり」は店の前に出している旗のようなもの。「こいのぼり」というと、コイが上へのぼっていく印象もありますが、旗ののぼりをコイにして「鯉のぼり」。
 のぼりにコイが使われたのは、中国の「登竜門」に由来があるようです。「登竜門」は中国にある大河川「黄河」の上流にある門、けわしい急流をのぼり切ったコイが竜になれるという伝説です。そこから、今では成功や出世をするうえでの通る道、チェックポイントのような意味で用いられています。鯉のぼりは登竜門をくぐれるような願いがこめられていそうです。

 実際、コイは滝をのぼれるのかというと、そのあたりはあやしいかんじです。サケの場合は川で生まれた稚魚が海へ行って数年過ごし、その後川をさかのぼって産卵することはよく知られています。サケは川と海を移動するのでそのようなことがありますが、コイの場合は流れのはやい川を上がる力もある程度はあるようですが、ずっと川や池にいるので生活の中で滝をのぼる必要はなさそうです。

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