熊代大地(くましろだいち)

リンスタ生の質問コーナー4 海が青いのはなぜ?後編

2023.07.10

はいどーも!熊代です。

リンスタ生からの質問シリーズ第4弾「海が青いのはなぜ?」の続きです。

 

『海が青いのはなぜですか?』
By 中2最難関高校入試対策コース R・Mさん

さて、前回は水や空気が、光の反射や屈折、化学物質によって
どのように青く見えるのか、ということについての話を説明しましたね。

今回も同じ「光」について説明していきます。
しかし前回と異なるのは「光の吸収」についての話であるという点です。

小学・中学理科で学ぶ光の吸収では、「黒い物質はよく光を吸収する」というものです。
しかし皆さんは、そもそも「ほぼすべての物質が光を吸収している」ということは
わかっているでしょうか。

例えばリンゴは「赤く」見えます。
これは、リンゴの表面が、「赤だけを反射し、他の色を吸収してしまっている」ためです。
「リンゴ」が存在する空間から「赤い色」だけが飛んできて目に入るので「リンゴは赤い」と認識しているのです。

海についても同様です。
海はもちろん、多くの「水分子」を含んでいます。

この水分子には、「赤系の波長を吸収する」性質があるのです。
ですから、青の波長だけが反射・屈折し、人の目に届くわけです。

 

さて、ここまでのことを踏まえると、ある面白いことに気が付きます。
それは「水中には赤い魚がたくさんいる」という事実です。

そう考えると、確かにタイやキンメなど、真っ赤な魚も多いです。
沖縄などの暖かい地域の魚に至っては、見事に派手な見た目のものばかりですよね。

話をもとに戻しましょう。

先ほど、
「リンゴ」が存在する空間から「赤い色」だけが飛んできて目に入るので「リンゴは赤い」と認識している。
と説明しました。

ではこう考えてみるとどうでしょうか。
もし、その「リンゴ」が存在する空間から、「赤い波長の光」がなくなってしまったら?

そうです。
青の波長だけを当てると、リンゴから光が反射されなくなり、認識できなくなってしまうのです。

では海中ではどうでしょうか。
水分子が赤系の波長を吸収してしまっています。

つまり、深くなればなるほど、赤い波長の光はなくなってしまいます。
赤い光がなければ、赤い魚は…?

そう。他の魚からは認識されなくなりますね。
外敵からも獲物からも認識されなければ、より生存確率は上がります。

ですから、水中には赤い魚がたくさんいるわけですね。

 

これらの事実は、植物にも大きな影響を及ぼしています。

陸上では、光合成をする植物の茎や葉はみんな「緑色」ですね。
これはクロロフィル(葉緑体)と呼ばれる光合成色素で光合成を行うためです。

しかし、海藻には赤色や褐色のものも多く、とても緑色とは呼べないものも多いですよね。
これは、クロロフィルが緑ではなく赤系の色のものだからです。
つまり、葉緑体のそもそもの色が異なるということです。

これも水分子によって、水中には青系の波長の光しかないことが原因です。
陸上では、緑色を反射し、赤色を吸収することで光合成をしています

赤色の光が吸収されてしまっている水中では反対に、
赤色や褐色の海藻が、赤系の色を反射し、青系の色を吸収することで光合成をおこなっているのです。

陸上と水中の植物に、光の影響による違いがここまで大きく出ているのは意外ですよね。

 

さて、2回に渡って「海が青い理由」について考えてみました。
R・Mさんいかがだったでしょうか。

水分子の性質ひとつから、これほどまでに多くの動植物に影響が出ているとは驚きですね!

ヒトの肌や他の動物の体毛の色なども、生育環境によって大きな違いも出ています。
…ですが、これはこれで長くなるので、またいつか語りましょう。

それでは、また次回!

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