河野知義(こうのともよし)

円周率のいろいろ

2023.03.31

みなさん、こんにちは。
リンスタ数学担当 河野 です。
ちょっとリーマン予想の証明に挑んでいたら、ひさかたぶりの更新になってしまいました。
全く以てボクの能力では無理なので、また改めてブログ、再開していきますね!

さて、今日は表題のとおり『円周率』について書こうと思います。

きっかけは東京都渋谷区にある青山学院高等部の2023年度入試問題。それは、以下のような図を用いて円周率の範囲を特定せよ、という問題でした。

円の直径を1とすると、中1以上の皆さんはご存知のとおり、円周の長さは「π(パイ)」。

π=3.14159 26535 89793 23846… と続く、「円周率」と呼ばれる無限小数ですね。
図形から πは円の内側に書かれた正方形や正六角形の周の長さより長く、外側に書かれたものより長いということになりますから、そこから範囲が特定できるね、という問題でした。同様の方針で解答できる問題が、2003年に東京大学で出題されているのも有名です。
(「円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ。」という問題でした。)

実はこの方法、紀元前2000年頃(つまり今から4000年以上前)には知られていたと言われています。当時は中学入試 算数で時折見かける「22/7(=3.142857…)」などが用いられていたとのこと。東大 入試問題レベルの概数についても、紀元前3世紀頃(前回ブログのユークリッドさんと同じころですね)にアルキメデスによって発見されていたそうです。

ちなみにその後、紆余曲折を経ての現在、円周率は何桁まで計算されているかご存知ですか?
このブログを書いている2023年3月現在では、なんと『100兆桁』。
そしてこれを達成したのは 岩尾エマはるかさん という、日本の開発者なんです!

「そんなに円周率を計算して、何の意味があるの?」って思います??
これは大きな意味があります。
というのもこの計算、なんと 157日23時間31分 もかかったそうで…。
昔から知られる円周率を、大量のデータを扱って計算することは、「コンピューターの性能を表す尺度」になるんですね。

円周率は書いているとキリがないほど興味深い数なので、残りはざっと箇条書きで…

【ランダム性】
円周率を無限に計算すると、0から9までの数字が均等に出てくると言われています。(本当にそうなのかは、証明されていません。)

【記念日】
3月14日:円周率の日・数学の日(πが永遠に続く数のため、この日を結婚記念日にする人もいるんですって。)
7月22日:記事中に登場した近似値「22/7」から、円周率近似値の日とされています。
※どっちも学校が休みになることはないのでご注意!

【円周率の暗唱】
現在のギネス世界記録はインドの方が打ち立てた7万桁。
なお、日本人の 原口證さん は2006年に10万桁の暗記を達成しギネスへ申請中とのことですが、現時点では正式認定されていません。
(ちなみに暗唱には16時間30分もかかったんですって… すごいですね…。)

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