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~千葉県千葉市
  合格祈願に行ってきました!編~

みなさんこんにちは。
リンスタ社会科担当の白井です。

今年も入試が始まりました。受験生のみなさんは、合格に向けて日々全力でがんばっていると思います。私も全力で授業や過去問指導に取り組み、みなさんを応援しています。でも、真剣な受験生の様子を目の当たりにして、まだ何かできることはないかという気持ちが強くなってきたのです。

1月某日の小春日和の日、受験生たちの合格を祈るため、千葉県屈指のパワースポットと言われる千葉神社に向かうことにしました。もちろん、普通に交通機関を使っていったのでは、必死でがんばっている受験生たちに申し訳ありません。自宅から千葉神社まではおよそ14㎞ありますが、徒歩で行ってみることにしました。ぜんぶ歩き切ってお参りできれば、きっとご利益もあるでしょう。でも、ただまっすぐ向かうだけではつまらないですよね。ということで、途中で気になるスポットにいくつか寄りながら歩いていくことにします。

歩き始めてしばらくすると、JR総武線に沿った道に出ました。その先で見つけたのが下の写真の緩やかにカーブしていく道です。

右側の総武線の線路から分岐しているように見えませんか?
実はこの道、かつての線路跡なのです。以前のブログ(~千葉県船橋市ほか 変わりゆく風景編~)で、鉄道連隊のことを紹介しましたが、ここにはその線路がありました。ここから分岐した線路は、京成大久保駅の付近からいったん北上し、その後南東に向かって進んで千葉駅の近くまで伸びていたのだそうです。この先の線路跡は、遊歩道として整備されており、散歩やジョギングをしている人の姿も見ることができます。

この道を進んでいったのでは目的地とは異なる方向に進んでしまいますので、少々複雑な住宅地の間の道を進み、再び総武線の線路沿いの道に出ます。線路に沿った道があればいいのですが、この付近は少々遠回りをしなくてはいけません。
このあたりには習志野市と千葉市の市境があります。また、ここにはJRの車両基地があり、この先幕張駅の手前まで広大な面積を占めています。広い線路用地の向こう側は造成工事がおこなわれているのが確認できました。おそらく数年後には多くの住宅が立ち並んでいるのでしょうね。工事がおこなわれているところは習志野市ですが、最寄り駅は幕張本郷駅になります。ここに住む人たちは習志野市民でありながら、千葉市の駅を利用するということになるんでしょうね。
千葉市に入ってからは、総武線の線路に沿った道を延々と歩いていきます。その途中で、ちょっとおもしろい踏切があったので、そこを通って線路の反対側に行くことにしました。歩行者用のこの踏切、一度線路を越えてから左に折れて50mほど進み、また右に折れてもう一度線路を越えていくという不思議な構造になっています。なぜこのような構造になってのでしょう?
もともとはこの近くに自動車も通る普通の踏切がありました。しかし、総武線と京成線が通るこの踏切は、いわゆる〝開かずの踏切〟になっていたため、線路の地下を通る地下道の建設が計画されました。工事の間の歩行者が不便にならないように、踏切はこの場所に移設されました。ところが、予算などの関係によって、地下道の工事は中止になってしまいました。そのため、おそらく仮設であったこの踏切が、今でもそのまま使われ続けているというわけです。

しばらく歩くと京成幕張駅に着きました。ここには、歴史のテキストに出てくる人物に関連するものがあります。それが下の写真の昆陽神社です。この神社は、さつまいもの栽培に成功したことで知られる青木昆陽を祀っています。なぜここに青木昆陽を祀った神社があるのでしょう? その答えは、この鳥居の向かい側にありました。青木昆陽はいくつかの場所でさつまいもの栽培の試験をおこないましたが、唯一成功したのがこの土地なのだそうです。その後、この地ではさつまいもがさかんにつくられるようになり、そのおかげで江戸時代最大といわれる天明の飢饉のときにも1人の犠牲者も出なかったのだそうです。

ここまでの所要時間は1時間弱。ほぼ予定通りに進んでいます。

幕張駅までは並行していた総武線と京成線ですが、この先は少し離れたところを走っています。私は京成線の線路に近い道を進むことにしました。次の目的地まではおよそ4.5㎞です。

しばらく進むと花見川という川を渡り、検見川神社の近くで右に折れて〝房総ぼうそう往還おうかん〟と呼ばれる道に入ります。房総往還は江戸時代に整備された、江戸から東京湾沿いに木更津や館山方面へと至る街道です。この道は東京湾の防衛のために整備されたのですが、房総方面の海産物を江戸に運ぶ道としても重要でした。古くからある道だからなのか、道沿いには歴史のありそうな建築もいくつか見ることができました。
しばらく進んだところで左に折れ、緩い上り坂を進んでいきます。このあたりは、台地の突き出したところと川によってできた低地が交互に現れるため、道は上り下りをくり返します。といってもたいした坂ではないので歩くのにまったく支障はありません。

1時間ほど歩いて、京成稲毛駅の近くにある稲毛公園に着きました。公園は小高い丘になっており、園内には松林が広がっています。現在では埋め立てが進み、海岸線はここからおよそ3㎞先になっていますが、かつては、この公園のすぐ下が海岸線でした。海岸沿いには松林が広がっており、この公園はその名残になっているというわけです。

戦前の稲毛は、東京から近い海辺の保養地・別荘地として非常に高い人気を誇っていました。1888年には県内初の海水浴場が開設され、ここにあった海気館という旅館には、森鷗外もりおうがい島崎しまざき藤村とうそんなどの文人たちも訪れていたそうです。そのころの面影を感じることができるのが、公園のすぐ近くにある〝旧神谷かみや伝兵衛でんべえ稲毛別荘〟です。国の登録有形文化財に指定されているこの建物は、浅草の「神谷バー」や、日本初の本格的ワイン醸造所「牛久シャトー」を築いた実業家神谷伝兵衛の別荘として1918年に建てられました。 玄関を入ってすぐ右側が応接間となっており、その地下にはワインセラーとして使われていたという部屋があるそうです。また、2階の和室の柱にはブドウの木が使われていたり、天井のデザインはブドウ棚を思わせる格子柄になっていたりと、「ワイン王」とよばれた人物のものらしい建物をしばらくの間楽しんだのでした。

そもそもの目的を忘れそうなので、先を急ぎましょう。
広い国道の先には、下の写真のような高い位置にある陸橋が見えます。

この陸橋の左側は崖になっており、道路のあるところはかつての海岸線で、砂浜が続いていたのでしょう。このような地形を海食かいしょくがいといいます。海食崖とは、波の力によって海岸にある山や台地が削られてできた険しい崖のことで、房総半島にはこの地形が多く見られるそうです。陸橋の高さからその高低差がわかりますよね。先ほどの稲毛公園も海食崖の一部だったのだそうで、高台から見える砂浜と海の景色は、とても素晴らしかったことでしょうね。別荘地となっていたのもよくわかる気がします。

しばらく進んだところで左に曲がり、また緩い上り坂を進んでいきます。そして、その先にあったのが、下の地図の不思議な交差点です。

このような交差点のことをラウンドアバウト(環状交差点)といいます。中心に「中央島」と呼ばれる円形のスペースがあり、車はその周りを時計回りの一方向に通行します。信号機がないのが最大の特徴で、ヨーロッパでは広く普及しているそうです。日本でも2014年の道路交通法改正以降、各地で導入が進んでいます。交差点付近ではスピードを落とすため事故が少ないことや、災害時に停電となっても支障がないことなどの利点もありますが、中央島をつくるための広いスペースが必要なことや、交通量の多いところでは混雑が激しくなるなどの欠点もあるそうです。
おもしろかったのは下の写真のコンビニ。中央島の形に合わせるようにカーブしているんです。奥の方が張り出しているので、わざわざこの形にしたのかもしれないですね。

ここから京成線と総武線の線路を越えて東に向かいます。 目指したのは千葉公園。実はこの公園、最初に出てきた鉄道連隊の演習場の跡地につくられた公園なんです。園内には、当時の様子を伝える貴重な戦争遺跡が点在しています。そのうちの1つが、下の写真の架橋演習用橋脚です。巨大なコンクリート製の柱は、橋を架ける訓練に使用されたそうです。習志野市から続いていた鉄道連隊の演習線は、ここまで伸びていたんですね。演習線は、現在の四街道市や佐倉市などを大きく迂回しているので、これに沿って歩いたら大変な距離になってしまいますけど…。

ここまでくれば残りはあと1.5㎞ほど。いよいよ本来の目的地だった千葉神社に向かいます。
千葉市中心部に鎮座する千葉神社は、平安時代末期に開かれた北斗星信仰の聖地です。
千葉県内でも屈指のパワースポットとして、古くから厚い信仰を集めています。北極星・北斗七星は「運命の道標」とされるため、厄除けや開運のご利益があるそうです。源頼朝に協力したことで知られる千葉つねたねは、本拠地を現在の千葉市に移した際に、一族の心の拠り所として千葉神社を厚く保護し、門前町として街を発展させました。千葉氏は北斗七星を神格化した妙見様を一族の象徴とし、戦いの勝利を祈願したそうです。千葉神社の社殿は、下の写真のように2階建てになっており、1階と2階のどちらにも拝殿があります。これは全国的にも珍しい造りだそうです。この立派な社殿を見ると、なんだかご利益がありそうな気がしてきますよね。

千葉神社の境内には、千葉県内で最も大きい天神様である千葉天神もあり、多くの受験生が合格祈願をするために参拝に来ます。
千葉神社に祀られている妙見様は、悪い運気を退け、良い運勢(ツキ)を呼び込みます。また、天神様は積み重ねた努力を実力として発揮させてくれます。つまり、ここは「妙見様のツキ」と「天神様の学力」の両方を授かることができる、合格祈願には最強のスポットと言っていいでしょう。もちろん私も、しっかり両方の神様に受験生たちの合格をお願いしてきました。

ここまで歩いた距離は18㎞。いくつか寄り道をしたので、かかった時間はおよそ4時間でした。

さて、受験まで残りわずか。運はいただいてきましたので、あとはみなさんがその努力の成果を発揮するだけです。最後まであきらめず、悔いのない受験をして来てください。がんばれ受験生!!

「?」はきっとそこにある
「?」を知ればおもしろい!
みなさんも、身近な「?」を見つけて楽しんでみてください。

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