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タンポポの花はどれ?

 あたたかくなってくると、公園の片隅、道路わきなど、いろいろなところでタンポポの花が咲いているのを見かけます。
 タンポポは小学4年、小学5年の理科でも繰り返し登場する大事な植物です。

公園の一角にタンポポがたくさん咲いていました。春ののどかな光景です。
タンポポはキク科タンポポ属の植物です。

 小学4年生の理科で学習することとして、タンポポには昔から関東地方に生息していたカントウタンポポ、日本にもともとはえていなくて、北アメリカから運ばれてきて日本で増えてきた帰化植物のセイヨウタンポポがある、ということがあります。

 小学5年生の理科では植物の分類として、世の中の植物を見た目や性質などで「科」で分類、その中でもタンポポがキク科に分類されることを学習します。
キク科の植物は花びらが5枚というのが1つの特徴です。

 さて、タンポポの花びらが5枚とは、どういうことでしょうか。 タンポポの花に近づいてみましょう。

 数えきれないくらいに、花びらが花の中心から外側までぎっしりとつまっています。
 ある程度学習を積んだ受験生の皆さんなら答えられますね。

 タンポポの花は1つの花のように見えるものが、たくさんの花の集合体であるということです。
1枚の花びらに見えているものが「1つの花」です。

花を中央から割いて、断面を見てみました。

下のほうにみえる白いつぶが子房、この断面だと7つほど見えています。子房の中には胚珠があり、成長すると「種子」になります。
子房の上には細かい白い毛のほうなものが「冠毛(かんもう)」と呼ばれる部分、花のつくりでいうところの「がく」で、開花後に花びらを落とした後、この部分がタンポポの「わた毛」になります。  さらに、花1つを取り出してみました。

 これがタンポポの「1つの花」です。中央の黄色の糸状の部分がめしべです。

タンポポのめしべの先端は2つにわかれているのが見えます。途中から太くなって見えますが、タンポポのめしべの中央から下はタンポポのおしべがまきつくようについています。
そして、横に1枚のびている黄色いものが花びらです。花びらは1枚のようにみえますが、5枚の花びらがくっついて1枚に見える合弁花です。

 花びらをよくみると先がぎざぎざしたかんじで、花びらにも線が数本はいってみえます。5枚の花びらがくっついていることでぎざぎざになっています。

1つの花に1つの子房があり、1つの種子ができるので、開花後にたくさんのわた毛が風にのって運ばれるということは、その数だけ花があったということでもあります。

 タンポポはいろいろなところにはえていますから、見つけたらぜひ、花びらの様子を確認してみましょう。

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