桑名正和(くわなまさかず)

「やまぶきいろ」のヤマブキ

2023.04.25

 小さいころ12色の色鉛筆を使っていて、初めて24色の色鉛筆を見たときに、その鮮やかな色の並びに感動しました。12色だと赤、青、黄、緑といったいわゆる原色系で、中間色を出したければ両方をぬってまぜあわせて、理想の色を作り出します。24色だと、求めている色が最初から目に飛び込んでくるのでどの色を使ってかこうかというわくわく感がうまれたものでした。そんな24色の中に耳なじみのない色があり、それが「やまぶきいろ」でした。

黄色より少し色が濃い?これはいったいなんだろうかと。
それからしばらくして、同じ色の花が咲いているのを近所で見つけてヤマブキを知りました。

 こちらがヤマブキ、なるほどまさにその色。春になると、ソメイヨシノなどのサクラとともにみられる花です。
 ヤマブキはバラ科ヤマブキ属の落葉低木。ウメやサクラと同じバラ科ですから、5枚の花びらと中央に多数のおしべがあるあたり色以外はサクラにかなり似ています。日本に古くから生えていて、山林や都会の公園など幅広く見ることができます。

花びらを多数つける八重咲きのヤマブキもあります。八重桜などと同じで、本来おしべになる部分が花びらに変化した品種で、見比べると、花びらが多くある分、中心部分におしべがないのがわかります。

 ヤマブキは日本に昔から親しまれているようで、
平安時代の後拾遺和歌集には兼明親王が「七重八重 花は咲けども山吹の・・・」という八重咲のヤマブキをよんだ和歌があります。同じく平安時代の源氏物語では「白き衣、山吹などの萎えたる着て」という部分があり、ヤマブキが色として扱われていたようです。
 いろいろな花が咲く春、自然界の色を探してみましょう。

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