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マツ~裸子植物の代表

 青空に細長くのびる緑、正月飾りを代表するマツは1年中見ることができる植物ですが、この時期見るとより正月らしさを感じます。

 今回はマツの紹介です。
 公園や道路わきなど多く樹木があるなかで、花をつけていなくても見てすぐにマツだとわかる。花がなくても見た瞬間にこれとわかる植物ですから、それだけ他の植物と違うということもできます。
 マツはマツ科の植物ですが、そのさらに上の分類として裸子植物門に属している植物です。

 裸子植物は中学受験の植物でも学習する内容です。教科書的な説明だと、子房がなく胚珠がむき出しになっています。胚珠は種子のもとになる部分です。多くの植物はめしべの付け根の子房がふくらんでいて、その中に種子のもととなる胚珠がある被子植物。裸子植物はその子房を持たないということです。裸子植物のなかまは、イチョウやヒノキも裸子植物です。

 マツの特徴といえば「松かさ」、もともとはマツの雌花。枝の先端に雌花ができ、それがだんだんとふくらんで大きくなり独特の形状になっていきます。私は小さいころから「まつぼっくり」という名前で親しんでいたのですが、どうもこの名称は関東地方の方言のようで、全国的にあまりいわれていないというのは大人になってから知りました。

 松かさはもともと雌花で、中に種子をつくります。マツは風にとばされやすい種子をつくる、というのもよくでてくる話ですが、マツの光景だけ見てもひまひとつぴんとこないものです。松かさは風にとばされそうなつくりではなく、そのまま落下、マツの木の下にたくさん落ちています。

 さて、どこに種子があるかというと、松かさをつくる1枚ごとの鱗片(りんぺん)に種子が入っていて、中から落ちていきます。その種子は薄い形状をしているので風にのってふわっと舞うこともあります。

 私が見たときには中の種子は見つけられませんでした。すでに散ったあとかもしれません。

 正月飾りに使われる大きな理由は冬でも葉を落とさない常緑樹であることです。葉をすべて落としてしまったら、正月飾りがさびしくなってしまうので。マツは葉が針状にとがっているので、冷たい風の影響を受けにくい、雪が上につもりにくいなど冬を耐え抜くつくりをしています。葉を落とさないことが縁起がいいものとして新年を迎えるうえで重宝されているようです。

 正月だけでなく、花をつける時期や種子をつける時期など1年を通してみどころがある植物です。
花が咲く時期にあらためて紹介します。

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