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脊椎動物の進化の流れが変わった話

夜の公園を通りかかると、暗い中をもごもごと何かが動いているような。
ネズミ?いや、それにして動きがゆっくり。

近づいてみるとカエルでした。てのひらにちょうどのるくらいの大きさのヒキガエル。
ありがたいことに、街灯の光が当たる場所にとまってくれたので、いいかんじで撮ることができました。

カエルは脊椎動物(せきついどうぶつ)のなかの両生類に属しています。
小学4年生の理科でもヒキガエルはたびたび登場。
「春の動物」の単元では

ヒキガエル
2~4月ごろ、寒天のようなものでできた管につつまれたたまごを産みます。
管の中には2000~10000個のたまごがはいっています。

とでてきて、その後、カエルの冬眠についての説明、その後オタマジャクシのようすなどが紹介されています。

小学5年生では脊椎動物全般、そして脊椎動物の進化などと合わせて学習します。
脊椎動物は、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類の5つの種類があります。
カエルは両生類、ヒトは哺乳類です。

そして、脊椎動物の進化の流れの図はこちら

原始的な魚類から両生類へと進化・・・
それにしてもこの図がなかなか複雑です。
10年以上前に脊椎動物の進化を勉強したことがある、という皆さんだと違和感があるかもしれません。
哺乳類は爬虫類から進化してきたのでは?という疑問がありそうです。
この図だと、両生類から爬虫類・鳥類へわかれる線があり、哺乳類はそこからは完全に独立しています。

2012年頃の中学や高校教科書で進化の流れの説明がかわり、今のようになりました。
定説がかわった、といえばいいでしょうか。当然人類も誕生する以前の話なので、直接進化途中を見ることはできません。多くの化石が発掘される中で、進化の証拠になるものが見つかる、またそれぞれの動物の遺伝子を調べるなど、様々な手法をとることで進化の流れはこうだった、というものがわかってきます。

近年も新しい化石発掘のニュースを多く見かけます。発掘したというだけではなく、見つかった化石が新種であるとか、進化途中がわかる化石とか、大昔の未知の世界が解明される発見が続いています。

ということで、今記載されている進化の流れを小学5年の教材にそっておさらいします。
① 魚類から両生類が出現
② 両生類から爬虫類へ進化したものと、哺乳類へ進化したものが出現
③ 爬虫類から鳥類へ進化したものが出現

10年後にこの記事を見返すと、「昔はこうだったのか」とまたなっているかもしれません。
こういうことがあるからこそ理科は面白い、とも言えるんですけどね。

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