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ヤブガラシは昆虫に大人気

建物のわきでひらひらととぶチョウ。黒いはねの間に青緑色っぽい線が輝くのがきれいなこのチョウはアオスジアゲハです。都心でも比較的みかけるチョウです。

今回はアオスジアゲハの紹介ではなく、アオスジアゲハがとまってみつをすっているこちらの花についてです。街路樹のわきや公園など、いろいろなところであまり目立たない小さな花をつけていて、いろいろな昆虫がきています。大きな花びらをつけているわけでもないので、この花に目をとめるヒトなどなく、多くの通行人はそのまま素通りをしています。

そういう花ではあるのですが、小学4年生の理科の教材にこちらもさりげなくでてきている植物の1つです。この植物がタイトルにもある「ヤブガラシ」。名前はそこそこ聞くかもしれません。
くきがつるのようになっていて、ほかの植物にまきついてのびるつる性植物の1つとして紹介されています。

こちらの写真のヤブガラシは、春にピンク色の花をたくさんつけてみるひとを楽しませるオオムラサキツツジにまきついています。ツツジの葉がみえなくなるくらいにおおってしまっています。

ヤブガラシというその名称は、やぶをおおって枯らせてしまうとそれくらいになることからついていますから、この写真からもそんな様子がうかがえます。
ヤブガラシを検索すると、危険とか駆除とかそういったものばかりが出てきます。ひとたび生えると、草木をおおってなかなか駆除するのが大変なようです。

ヤブガラシはブドウ科ヤブガラシ属の植物です。果物で有名なブドウはつるでまきついてのびますから、それに似ているということです。ヤブガラシの果実を見ることはそこまでないのですが、ブドウよりもかなり小さいですが、こじんまりと果実をつけます。

それにしても、ヤブガラシの花にはチョウやミツバチなど多く昆虫が訪れています。
小さい花ですが、日光があたるとてかてかとひかり、ミツがたっぷりとありそうにも見えます。昆虫からすると、とてもおいしそうだからと近づいてくるのかもしれません。

きになったので、ヤブガラシの花のミツはおいしいのか、1つ花をとってみました。
軽くなめてみると、まったく味がせず。ヤブガラシの花を軽く歯でかんでみると、ほんのりと甘いようなそんな香りをかんじました。ですが、そんなにすごく甘いということもないような。ひょっとしたらつやつやした花に、ミツがたくさんあるに違いないと昆虫がミツをがんばってみつけようとして長い時間ヤブガラシの花にいつづけるのかもしれません。

それだけ昆虫をよびよせる力があるからこそ広がるのでしょう。
目立たない花だからこそ、また他の花と違った何かがある、そんな植物でした。

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