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川原に見かけるセイバンモロコシ

雲一つない青空の晩秋です。
大きな川の河川敷に同じ種類の植物がたくさんはえているのを見かけました。

とがった葉の形状と、先にやや赤みがかった穂のようなものがみえることからイネ科でありそうなことがわかります。
あまりにたくさんはえていたのでどんな植物なのかを調べてみました。

 この植物はタイトルにもあるとおり、セイバンモロコシ、イネ科モロコシ属。
イネ科はススキ、コムギ、エノコログサなど、細長い葉の平行脈が特徴。「モロコシ」と名がついていますが、トウモロコシはトウモロコシ属で、別の仲間になっています。
 セイバンモロコシは本州の大きな川の河川敷にかなり多くみられるようです。ヨーロッパ原産の帰化植物なので、河川敷に多いといっても大昔から見られる光景ではないことになります。これだけたくさん生えているわけですから、もともとはえていた植物をおいやってこの場に生息するようになったということになります。国立環境研究所の侵入生物データベースにも掲載されていました。

せっかくなので穂の付き方をみてみました。

なぞってみると、茎の途中から左右均等に穂がのびています。
植物は種類によって葉の付き方も左右に同時に出るものと、交互にでるものがあります。
セイバンモロコシは穂が左右同じようにのびながら上にむかってのびていくことで重心のバランスをとって上にのびていっているようです。細い茎でありながら、バランスがとれた伸び方をしているのがわかりますね。
葉は穂に近いところに大きいものが1枚、地面に近いところに数枚生えています。高いところに葉をつけると葉の重さでバランスをくずしやすく、大雨でもたおれやすくなりますから、そのあたりたおれにくいつくりになっているといえそうです。

 川が近くを流れていたら、川辺の石と近くに生えている植物にどういうものがあるか、どういう特徴があるか、観察してみましょう。

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