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赤く色あせた道路標識

 道路には様々な道路標識があります。
 横断歩道、駐輪禁止、一方通行、通行止め、などなど。
 きちんと知らないとわからないものもありますし、横断歩道、や駐輪禁止など、そのものをさす絵がかかれているものは見た目でわかりやすく便利です。

 道路標識は主に白、赤、青が使われていることも、それがただの絵ではなくて道路標識であるということもわかりやすくなっています。
 「禁止」に関するものは特に赤で強調されて、目をひきます。

 一方でふと見つけたこんな標識が。

 おそらく赤であっただろう色がぬけて白っぽくなっています。
 昔からある看板とかでも、赤という色は目をひく一方で色あせしやすいという特徴もあります。

 時間がたったから色がとんだ、というのはわかるにしても、青い部分と見比べてみると違いがわかります。
全体的に色がうすくなっているわけでもないようです。青はけっこうはっきりとした色で残っています。

 赤だけが薄くなる、不思議な現象ですね。
 という、今回はそんな色の科学を紹介です。

 色はそれぞれ光の波長というものを持っています。太陽の光が水の粒にあたることによってつくられる虹は光の波長によってわけられた結果みえるもの。
 赤く見えるものは、光が当たっときに、赤く見える波長を反射して、緑や青など他の波長は吸収し、その結果赤く見えます。
 青や紫の光はエネルギーが高く、赤はエネルギーが弱いことが知られています。
 エネルギーが強いといってもぴんときにくいですが、紫外線によって日焼けがおこるといえばわかるでしょうか。紫のほうの光は日焼けを起こすくらいの高いエネルギーを持っているということができます。
 赤く見えるものはその紫側の光を吸収しているせいで、赤の色素が分解されやすいようです。
 一方の青く見えるものは、その逆で、赤を吸収して青を跳ね返しています。赤はエネルギーが小さく、青い色素を分解しないので、青い色が残り続けることになります。
 道路標識であれば、1年中常に太陽の光を浴びることになりますから、長い年月での色の変化はよくわかります。

 色にもいろいろな科学がつまっていて、プリンターに使われるインクでは紫外線で色褪せがおこりにくいものが研究されているとか。

 皆さんが普段通る道で見かける赤いもの、注目してみてください。

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