白井亨(しらいとおる)

~東京都渋谷区 渋谷川編~

2022.10.07

~東京都渋谷区 渋谷川編~

 みなさんこんにちは。
リンスタ社会科担当の白井です。

前回のブログの終わりに、新たな「?」が1つ浮かんできました。今回は、その解決をしてみましょう。
もう一度、千駄ヶ谷駅のあたりを地理院地図で見てみようと思います。今度は、駅周辺だけでなく、もう少し広い範囲にしてみます。

千駄ヶ谷駅付近は「谷」には見えませんが、南の方角に目を向けると明らかに谷が刻まれているのがわかります。おそらく、矢印の方向に川が流れていたはずと考え、歩いて確かめてみることにしました。
しばらく歩くと神社があり、下の写真でもわかるようにその右に伸びる道は下り坂になっています。思った通り「谷」に続く道のようです。

またしばらく歩いていくと、「原宿橋」と書かれた石を見つけました。
これは「親柱」といって、橋の両側に立てられた橋の名が書いてある柱です。つまり、ここには川が流れていて、そこには「原宿橋」という橋がかかっていたということです。

調べてみたところ、ここにはかつて「渋谷川」という川が流れていていたそうです。渋谷川は、その名の通り現在の渋谷駅付近を流れています。駅周辺に上り坂の多い渋谷駅付近は明らかに「谷」の地形ですよね。東京メトロ銀座線が、地下から出て渋谷駅に着くと、そこは地上3階になっているというのも、ここが「谷」だからですよね(このことは中学入試の問題にも取り上げられたことがあります)。
渋谷川は、渋谷駅の南側でその姿を見ることができますが、それより上流部分は「暗渠」になっています。小4の学習で、越後平野の「暗渠排水」のことを学習しますが、暗渠というのは「地下に埋設した水路」のこと。つまり、原宿橋の地下には、今でも渋谷川が流れているのです。

原宿橋から、川と思われるところをさらに進んでみましょう。
なぜ地下なのに川だとわかるのかって?
では上の写真を見てください。明らかに不自然なカーブですね。
たしかに道としては不自然かもしれませんが、川の流れと考えたら普通の曲がり方ですよ。まさに、この地下を渋谷川が流れているという証しでしょう。
この道をさらに進むと表参道にたどり着きます。JR原宿駅から表参道を青山方面に歩いていくと、一度下り坂となってから再び上り坂になります。表参道はいつもたくさんの人でにぎわっていますが、ここを歩く人のなかに、この凹んだところがかつての渋谷川だと知っている人はどれくらいいるんでしょうね。

で、前回の「?」の結論。
千駄ヶ谷は「千駄萱」であって、ここが「谷」というわけではない。
しかし、ここには川が流れていて、河原には「萱」の1つである「ヨシ」がたくさん生えていた。
いかがでしょうか?

でも、この川はいったいどこから流れているんでしょう?
それに、代々木公園の西側には、もう1つ谷のような地形があります。
この「?」も、いつか解決してみようと思います。

「?」はきっとそこにある
「?」を知ればおもしろい!
みなさんも、身近な「?」を見つけて楽しんでみてください。

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