東京で最も遅い真夏日、その翌日は秋の気候になったのはなぜ?
2024.11.01
2024年の夏はかなり暑い日が続き、ようやく最近すずしくなってきました。
気象庁によると、東京では9月18日に最高気温35.1℃を観測し、観測史上最も遅い猛暑日となりました。
これまでの記録は1942年9月12日だったそうで、ここ数年猛暑になっているとはいっても、9月については今年の暑さがこれまでにないものだったようです。
そして、10月19日には東京の最高気温が30.1℃となり、観測史上最も遅い真夏日に。例年であれば、公園の植物や昆虫を長時間眺めていられる気候なのですが、少しいるだけでも汗が出てきて、とても10月とは思えないというのを肌で感じます。
受験勉強という話では、小学4年生から最高気温35℃以上の「猛暑日」、30℃以上の「真夏日」を学習しますから、これらのニュースは日頃の学習を深めることもできていいものかと思います。
さて、10月19日に「最も遅い真夏日」となったわけですが、翌朝は16℃台まで一気に気温が下がりました。数時間の間に一体何があったのか。この時間帯の天気図をみると、興味深いことがおこっていました。
10月19日昼12時と、その9時間後の21時に天気図をならべるとこのようなかんじになっていました。
日本の上空には青い線がひかれています。
こちらは小学5年生で学習の「寒冷前線」です。
寒冷前線は南にあるあたたかい空気のかたまりのほうへ、北からの冷たい空気のかたまりが流れ込んできたその境目をあらわしています。
あたたかい空気は水蒸気を多く含むので、境目では流れてきた冷たい空気によって水蒸気が冷やされることで雲ができ、雨が降ります。
10月19日12時の東京は寒冷前線の南側に位置しているのであたたかい空気のかたまりの中に位置しています。
日本上空には西から東へ「偏西風」が吹いているので、寒冷前線は東へ動いていきます。
寒冷前線が東へ動くことで、寒冷前線は日本の南のほうになります。
10月19日21時をすぎると東京は冷たい風がふきこむことになるので、一気に気温が下がってくるということになります。
実際、東京が寒冷前線の真下にきたあたりの21時頃は雨が降っていました。
そして翌朝、10月20日6時の天気図がこちら。
寒冷前線は日本列島の南側となり、北西側の冷たい空気に日本全体がつつまれるようになりました。
前日の暑さから、一気に秋の陽気になったのはこのせいということになります。
学習要素がたくさんつまった、2日間の天気でした。
心地よい秋の気候到来ですから、ゆっくりと植物を眺めに行きましょう。
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