桑名正和(くわなまさかず)

方位磁針はどこをさしている?

2023.02.03

 23日は節分、マメをまく習慣とあわせて、恵方巻きを食べるという風習もあります。その年の「恵方」とよばれる方角にむいて食べて商売繁盛などを祈願して食べるという習慣でもともとは大阪の習慣、コンビニエンスストアが全国で売り出したことで一気に広まったように記憶しています。
 ということで、今回は方角にちなんだ話です。方角を知る手段といえば方位磁針、小学4年生で磁石の学習をする際にあわせてでてきます。
 磁石にはN極とS極があり、NNではしりぞけあって、NSだと引き合う、鉄は磁石に引き寄せられる、などなど。
 そのときに一緒に学習する話として「方位磁針」があります。
 磁石のN極は北のほうをさすので、その性質を用いて方角を知ることができる、というものです。
 船が太平洋の真ん中にいて、まわりじゅうどこを見渡しても島がないとき、太陽が出ていればある程度の方角はつかめそうですが、くもっているとその手がかりもない。そういうときに昔から方位磁針は大活躍だったことでしょう。

 さて、方位磁針が北をさしているというのはわかるにしても、北とはどこをさしているのでしょうか。
N極が指し示す方にひたすら向かったら、どこにたどりつく?
 ある程度学習できていればそれなりに答えられそうです。
方位磁針のN極が北をさすのは、地球そのものが巨大な磁石になっており、北極がS極だから、N極が北極にひきよせられている。なので、N極のほうに向かい続けると北極へ、となります。
ただ、地球は不思議なもので、完全に北極点がS極なのかというと少しずれています。
磁石のS極にあたる部分は「磁北極」あるいは「北磁極」とよばれており、北緯90度の北極点とは少しずれていることがわかっています。
 しかも、その位置は少しずつ動いていて、1900年頃は北緯70度のカナダだったのが2000年には北緯81度へ、その後もさらに移動しています。そのあたりで長年生活をしていたら、同じ場所にいるのに方位磁針の指す向きがかわってくるという不思議なことがおこることになります。
 そんな磁北極にいくことができたとして、その場所に方位磁針をもっていったら、果たして針はどこをさすでしょうか。
 地球のS極が真下に位置しているわけですから、針が真下をさすことになりますね。一生の間にこの場に行くときはくるのか。一度はためしてみたいものです。

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