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ニホンズイセン

 多くの植物は種子などで冬越しをしている時期ですが、寒い中でも2月から公園などで見かけるニホンズイセンを紹介します。

スイセンはヒガンバナ科の植物で、ニホンズイセンは今から1000年ほど前の平安時代に中国から伝わってきたとされています。夏の暑さには弱く、23月に花を咲かせた後は地中に球根を残します。
 花びらがかなり特徴的です。外側に白い花びら、内側には筒状になった副花冠(ふくかかん)とよばれる部分があり、副花冠の内側におしべとめしべがついています。副花冠はおしべが変形したもので、いわゆる花びらとは由来が違うようです。
副花冠は別名「コロナ」。太陽の周囲にあるガスの部分を「コロナ」と呼び、新型コロナウイルスも文字どおり「コロナ」ですが、コロナとはもともと「冠」を意味したことばですので、冠の形状をしているという共通点があります。

さて、ここで1つ問題です。
外側にある白い花びら、花びらの枚数は何枚でしょうか。

6枚にみえますが、実際は3枚です。
6枚をよく見ると、内側と外側にわかれており、同じ色でも外側は「がく」で、内側の3枚が「花びら」です。

花びら3枚、がく3枚という花のつくりはチューリップやユリと同じです。

スイセンといえば食中毒のニュースとしても見かけることがあります。
細くとがった葉は、料理でおなじみのニラの葉に似ています。花が咲いていない時期に見かけると見間違いをおこしがちなようです。スイセンは葉にも球根にもリコリンという有毒成分が含まれていて食用にはなりません。
山林の植物は見て楽しむだけにしておきましょう。

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