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イヌタデ

 信号待ちをしているとき、皆さんはどうしているのでしょうか。
 ぼーっと待つか、このあと何しようかと考えながらか。
 私は空を眺めて月や星を探すとか、雲を眺めるか。あるいは、目線を下におろして道路わきの植物を眺めるか。気が付いたらとっくに青信号になっていてそれに気が付かないこともあるもので。

 さて、そんな交差点の信号待ちをしているときに、秋の植物として教材にでている植物を見つけました。見つけた、というよりけっこう探していながらなかなか見つからなかった植物にようやくめぐりあえたといったほうがよさそうです。

 足元低いところにこじんまりとピンク色の花をたくさんつけているこちらの植物です。

 この植物はイヌタデ。図鑑などでは710月くらいに花をつけるとあるのですが、私が目にするのは1011月、今年は秋になっても暑い日が続いたせいか、11月になってようやく見ることができました。
 イヌタデはナデシコ目タデ科。秋の七草ナデシコはナデシコ目ナデシコ科なので、秋の七草ナデシコの親戚にあたるようなかんじです。東アジア原産で日本にも古くからはえています。小さいピンク色のつぶつぶがたくさんついているようにみえますが、花びらはなく、色がついているのは「がく」の部分です。がくが開くとおしべが8本、ところどころ小さく糸のように見えているのがおしべです。

 タデといえば「タデ食う虫も好き好き」ということわざがあります。
 ヒトの好みは様々あって、誰もこのまないようなものでも、好きなひとがいる、とそんな意味ですが、そのもとになっているのがヤナギタデというタデの1種です。ヤナギタデの葉はものすごい辛味をもっているが、そんなタデの葉を食べる昆虫もいる、ということからできていることわざです。

 イヌタデの葉の味はどうなのだろうと、思った次第ですが、信号が青になったことですし、ここは眺めるだけにしておきました。

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