桑名正和(くわなまさかず)

春のモミジ

2023.05.06

 春はアブラナにソメイヨシノ、チューリップ、などなどたくさんの花で彩られます。それぞれの季節にそれぞれの花が楽しめるのが日本の魅力。
 そんな中で、今回はモミジの紹介です。
 モミジといえば、11月~12月の紅葉シーズン、秋晴れの澄んだ青空のもとに真っ赤に染まった葉のコントラストを楽しむものですが、そのモミジは葉であって、花が咲いている光景ではありません。モミジも植物である以上、花が咲いている時期はあるはず。紅葉シーズンに山にも公園にもたくさん見られるので、花が咲いているときがあってもいいはずです。花がいつどのように咲いているかをご存じでしょうか。

  早速確認してみましょう。4月のイロハモミジはこんなかんじです。

秋に真っ赤な葉を落として冬を越したイロハモミジはあたたかくなるとあっという間におなじみの葉をつけていました。葉と一緒に赤身かかったものが見えます。
拡大するとこんなかんじです。

 こちらが花です。いろいろな花がさいている春ですから、そちらに目を奪われると花の存在には気が付かずに通り過ぎてしまいそうです。
 モミジの花をよく見ると、2種類あることがわかります。
先が黒くなっている糸状のものが複数中央から出ている花が「雄花」
中央からふたまたに分かれた白いものがでているのが「両性花」です。

「雄花」はおしべをつけている花。おしべの中では花粉が作られます。
「両性花」はおしべとめしべの両方をつける花です。

ヘチマやカボチャなどウリ科の植物であれば、おしべをつける「雄花」とめしべをつける「雌花」の2種類の花があることは小学校の教科書にも掲載されています。
アサガオやヒマワリは1つの花の中におしべとめしべの両方をつける「両性花」です。
イロハモミジは「雄花」「雌花」ではなく「雄花」と「両性花」の2種類をつけるのでかなり特殊な部類の植物といえます。私がこの写真をとったときにも花は小さいですから、ぱっと見ただけではその違いに気が付かず、あとから写真を拡大してみてわかった次第です。

 普段は秋に注目されるイロハモミジの春の姿、いかがだったでしょうか。
 どの植物も四季それぞれの姿があるはず。あのときに見たあの植物は?と探してみると新しい発見があるかもしれません。

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