河野知義(こうのともよし)

散歩のススメ ~運動と勉強~

2022.10.27

『数学の歴史を紐解く!河野の数学いろいろ講座』④

みなさん、こんにちは。
リンスタ数学担当 河野 です。
私のブログでは、「数学の歴史」を追う中で、そこから知られる雑学について書いていきます。

皆さんは日頃、勉強や考え事をどこでしますか?
リビング?自分の部屋?お父さんのお部屋を借りる??
人それぞれですよね。

では、歩きながら勉強や考え事をすることはありますか?

「歩きながらなんて、行儀が悪いし効率が悪そう!」なんて思われるかも知れませんが…iPhoneiPadに代表されるApple社の創業者の1人 スティーブ・ジョブズ氏は、散歩をしながら談義をすることを好んだことで知られます。
『ノルウェイの森』『風の歌を聴け』などの代表作で知られる作家 村上春樹氏はマラソンが趣味であり、それが自身の創作活動にも繋がっていると話しました。
その他にも著名な人物の中に散歩・運動を重要視していた人はたくさんいます。

「…あれ、今回は歴史、関係ない?」と思いました?
いえ、そんなことはないんです。
「散歩をしながら」というのは実は、前回まで紹介していた古代ギリシアの頃からの話なんです。

古代ギリシアには「ペリパトス派(逍遥学派)」と呼ばれる哲学者たちがいました。
きっかけとなったのは、前回ご紹介したプラトンさん。
そしてその弟子・アリストテレス(この方もまた本当にすごい人で… それは次回以降で!)が、自分の弟子たちとともに、これを1つの学派と呼ばれるまでにしました。
彼らは講義を回廊(ペリパトス)で行い、歩きながら議論をし、学問を深めていたのです。
また、古代ギリシアには「ギュムナシオン」と呼ばれる施設がありました。
現在の「ジム(gym」」の語源にもなっているこの施設は、男たちが肉体を鍛える場所である一方、哲学の講義・議論の場や、道徳・倫理教育の場としても使われたと言われます。
これは古代ギリシアにおいて体育が教育にも繋がると考えられていたことに起因しており、ギュムナシオンは単なる運動の場ではなく、医学なども含めた学問を育む場所でもありました。
(プラトンさんの建てた学園・アカデメイアも、ギュムナシオンの所在地でもありました。)

…と言われても、「散歩しながら勉強」は非現実的ですかね。
ただ、「運動が頭の働きに影響する」という事実は様々な角度から検証が行われており、事実だとされます。
机に座っての勉強ももちろん大切なのですが、体を動かすことも大切。
考え事なんかは是非、散歩をしながらしてみるのも、いいかも知れませんね。
(ボ~っと歩いて交通事故にあわないように注意しつつ、ね!)

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