早慶に合格するためにすべきこと

大学附属高校として，根強い人気を誇り難易度も高い早稲田大学・慶應大学の附属高校。
今回は早慶附属高校に一般入試で合格するためにすべきことについて考えていきます。

入試概要から考える

＜入試日程・試験科目＞

慶應義塾・慶應志木 ⇒ ①筆記試験(英数国) ②面接
早大学院 ⇒ 筆記試験(英数国＋小論文)
慶應女子 ⇒ 筆記試験(英数国＋作文)
早大本庄・早稲田実業 ⇒ 筆記試験(英数国)

　上記のように早慶附属高校は試験日程に重複のない学校もあり，複数校の受験が可能です。また，試験科目も英数国の３教科がベースであり，こちらも複数校受験を妨げるものではありません。
　したがって，早慶附属の合格を目指すための最初のステップは幅広い選択肢を持ち，複数校への出願を計画することです。２つほど例を挙げてお伝えします。
　まずは，埼玉県本庄市にある早大本庄について。こちらは一切の入試日程に重複がないため，早慶志望者の多くが受験します。通塾エリアが大変広いことも有名で，遠距離通学の生徒が多いことを理由に始業は9:10，完全下校18:40となっています。ホームページでも埼玉・群馬の他，東京・千葉・神奈川・栃木からも通学者がいることや，新幹線で通う生徒もいることが分かります。「遠いから」というだけで選択肢から除外するのではなく，是非一度足を運んでいただきたい学校です。
　もう一つは，慶應志木と早大学院の受験について。上記の表では，2/11に日程重複するのがわかりますが，慶應志木・早大学院の両校に出願をするというのは，一つの作戦です。慶應志木の１次試験に合格した場合にはそのまま２次試験（面接）を受験し，残念ながら不合格だった場合には早大学院を受験することになります。

　「早慶附属高校を目指そう」と目標を定めたら，まずは最大限チャンスを活かすことを考え，その後の成績動向や学校見学等の結果を踏まえて，受験校を絞り込んでいくとよいでしょう。

出題傾向から考える

＜英語＞
長文の単語数が多く，2023年度入試では各校2,000語程度でした。長文読解の出題割合が多いため，高い速読力が求められます。内容も自然科学・社会問題を取り上げた説明文など高度で難解な内容が出題されることもあり，注意が必要です。過去問題演習のほか，長文に触れる機会を増やすことは，大事な対策の１つでしょう。
また，小問の中には直接的に文法・語彙の力を要求する問題も出題されますので，基礎学習はしっかり高めておくことも非常に重要です。
英語は，努力が得点に繋がりやすい教科です。英数国３科目の中でも，英語で得点をしっかりとることを１つの目標に，学習を進めるとよいでしょう。

＜数学＞
学校や年度による難易度のばらつきはありますが，高い精度の計算力は必須です。解答を導く考え方や計算過程を要求される問題もあり，正確さとともにスピードも要求されます。また，図形問題では図のない問題や，不正確な図が与えられている問題もあり，適切な図を自分で書くことが必要な問題もあるので注意が必要です。
日常の学習で注意すべきは，暗記に頼らない学習を心がけること。原理・原則を理解し，公式もしっかりと証明できるよう準備することが大切です。また記述問題の攻略に向けて，図や考え方などをしっかりとノートに残すことも大事。解答の○×だけでなく，考え方に問題がないかを確認してもらい，理解を深めましょう。

＜国語＞
①知識力 ②読む力 ③解く力 の３つの能力が高い難度で求められます。知識分野は，漢字の読み書きから始まり，語句の知識(語彙)，国文法まで広く出題されます。日々の演習・確認を行い，漢検2級レベルの知識は身につけておきたいところです。現代文では中学生にとっては馴染みのない，難解なテーマとなる文章を読み解く必要があります。普段より段落関係などを意識して論理的に文章を読み，設問で求められていることを考える訓練を行いましょう。また，小論文や作文を含み，自分の言葉で記述する量が多いのも難関高校の特徴です。書きっぱなしにするのではなく，きちんと添削をしてもらい，記述力の向上を図りましょう。

なお各教科に共通する近年の注意点として，新学習指導要領で追加された単元（英語：仮定法，数学：データの活用など）があります。過去問題では，出題されていない範囲となりますので，意識して演習量を増やしておきましょう。

「早慶附属高校を目指す」ことで高度な学力が身につきます。しかし，その土台となるものは，どの科目も基本的事項となります。基礎を徹底することが，入試問題の攻略につながります。まずは，目の前の学習をしっかりと習得していくことが受験勉強のスタートです。早慶附属高校を目指す皆さまへ，勉強の仕方や入試情報などを今後もお伝えして参ります。ご質問などございましたら，EIKOH LiNKSTUDYへお問い合わせください。