EIKOH LiNKSTUDY

【教育コラム】EIKOH LiNKSTUDYの理科実験

2022.07.01


 BTB
溶液は酸性なら黄色、中性なら緑色、アルカリ性なら青色、フェノールフタレイン溶液は酸性・中性なら無色、アルカリ性なら赤色に変化する。
皆様も学校や塾で覚えたのではないでしょうか。
日常でBTB溶液やフェノールフタレイン溶液を使う方はなかなかいらっしゃいません。
それゆえ、教室現場でも「全然覚えられないよ~」「本当にそうなるの?」といった声が聞こえてくるテーマです。
だからこそ、本当にそうなるのか、実験を通して実感した方も多いと思われます。
実験の目的はそれだけではありません。体感をもって記憶に残りやすくなることはもちろん、探究心を高めることや、体験に基づいて身の回りの事象に潜むきまりを見付け出すことに繋がっていきます。

 栄光では理科実験を通して、理科を体感してもらうことを大切にしてきました。
身近な現象をテーマにして、なぜそのような現象が起きるのか、理科を学ぶ楽しさを追及してまいりました。
もちろんEIKOH LiNKSTUDYでも、オンライン上で理科実験教室を開いております。
最近ではペルセウス流星群の観測をテーマにした実験を開催しました。
参考URLhttps://www.eikoh-link-study.com/event/0530-2/

 それだけではなく、EIKOH LiNKSTUDYでは、オンライン教育のパイオニアとして、教室という空間を超え、学童・放課後クラブ様や企業・団体様向けにも映像と実験を融合させた新しい理科実験教室を提供しています。
現在も渋谷区立小学校の学童様にて実施させていただいており、約9割の保護者がプログラム内容について「まあまあ満足」「満足」とお答えいただいています。

  本日は実際に学童様にて行った実験の一つを紹介します。冒頭でご紹介させていただいた指示薬に関する実験です。

【プログラム】「いろいろカラーチェンジ」
 まずは片栗粉・重曹・クエン酸・食塩を水と混ぜ、水に溶けるものと溶けないものがあることを確かめる実験を行いました。このうち片栗粉は水に溶けないので水溶液とは言えないことを子どもたちは学びます。4種類の粉はすべて白色ですが、同じ白い粉でも解け方が異なることに驚く子もいます。

 続いて、水溶液が酸性・中性・アルカリ性の3種類に分けられることを学習、BTB溶液やリトマス紙で液性を調べます。そして、見た目で区別できない水溶液にBTB溶液を垂らしていき、色の変化からそれが何の水溶液かをあてていきます。
 3種類とも見た目は無色透明の液体ですが、BTB溶液を垂らすと鮮やかに色が変わる様子を見て歓声が上がりました。最近の教科書はカラーなことが多いものの、実際にBTB溶液を垂らした経験があると記憶の定着が違うものです。「きれい!」「不思議~!」という声が教室から聞こえてきました。

 ここである子がこんなことを聞いてきました。
「黄色い水溶液に他の水溶液を入れたらどうなるの?」
理科的好奇心に満ち溢れた顔をしていました。こういった反応は教師冥利に尽きるというものです。
「じゃあ、やってごらん。」
その子はスポイトで重曹水を吸い、黄色い水溶液に入れていきました。

 読者の方はお気づきだと思いますが、酸性のものにアルカリ性のものを混ぜていくと、弱酸性→中性→弱アルカリ性→アルカリ性のように変化していきます。その子の水溶液も、黄→薄い緑→薄い青→青というように変化しました。変わる様子にウキウキしていて、傍にいる私も楽しくなってきました。

「青くなったということは…アルカリ性になったんだね!」
「その通り。よく気が付いたね!」
「緑にならなかったね?」
「どうやったら緑になるんだろう?」

子どもたちは話し合いをしながら、青い重曹水を中和して緑色にしようとしていました。

 さて、ここである中学校で実際に出題されたこの実験に関連する入試問題(一部改変)をご紹介します。

問 次のア~エの溶液を用意し、それぞれにレモン果汁を加えて酸性にすると、すぐに色が変化するものと色が変化しないものがありました。色が変化しないものとして最も適切なものを1つ選びなさい。
ア:紅茶        イ:ムラサキキャベツの汁
ウ:ぶどうジュース   エ:牛乳

 こちらの答えは「エ」です。
少し難しい話になりますが、ムラサキキャベツ、ぶどうジュースはアントシアニンが含まれているので、BTB溶液同様、指示薬のはたらきをするので色が変わります。
一方で、牛乳にレモン汁を入れると固まるのは、牛乳に含まれるカゼインという物質が酸に触れることで固まって、水分と分離するのです。
 
 ここで重要なことは、上記のことを暗記していることではありません。「化学反応には、色が変わるものや形が変わるものがあり、牛乳に酸性のものを混ぜると固まるものの、色は変わらない」という、体験に基づいて身の回りの事象に潜むきまりを見付け出すことができるかどうかなのです。

 先ほどの問題を解けるようになれるよう、実験を通して、子どもたちが理科を好きになり、身の回りの出来事と結びつけられるきっかけをつくっていきたいと思います。

 ※学童・放課後クラブ様や企業・団体様で理科実験教室ご興味がある方がいらっしゃいましたら、以下メールアドレスまでご連絡ください。
MAIL:kikaku-event-jimukyoku@eikoh.co.jp

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